掃除機はシンプルな家電です。基本的に使い方はどれも同じです。
なんとなくで選ぶ方も多いでしょう。
しかし実は種類も多く、奥が深いのです。
掃除機にはキャニスター、ハンディ、スティック、ロボット型と種類が多いのですが、
今回は、最もメジャーなキャニスタータイプ(本体を転がすタイプ)の選び方をご紹介します。
サイクロン掃除機か、紙パック掃除機か
紙パック式掃除機がいいか、サイクロン式掃除機がいいか。
まずは、このどちらかを選びます。
紙パック式の特徴
紙パック式のメリット
⭕ゴミがいっぱいになったら捨てるだけなので楽
⭕基本的にゴミ捨て以外のお手入れ不要
紙パック式はお手入れがとにかく楽です
紙パック式のデメリット
❌紙パック代がかかる
❌吸引力を維持しにくい
❌安い紙パックは排気がきたない
❌最高性能の機種が無い
費用がかかるのが欠点です。
また、ダイソンなどトップクラスの掃除機では採用されていないので、トップレベルの掃除機ではありません。
サイクロン式の特徴
サイクロン式のメリット
⭕紙パック代がいらない
⭕こまめに手入れすれば性能を維持できる
⭕本体が軽くなることが多く、機種のバリエーションが多い
吸引力を維持しやすいのと、追加費用が少ないのがメリットとなります。
サイクロン式のデメリット
❌ゴミ捨てをサボると吸引力が下がりやすい
❌ゴミ捨て時に、埃が舞うのでアレルギー持ちの方は注意!
❌フィルターのお手入れが面倒
手間がかかるのがデメリットです。
💡︎紙パック→楽だけど費用がかかる
💡︎サイクロン→手間がかかるけど費用がかからない
サイクロンと紙パックはどっちが吸引力が強いのか
ところで、掃除機で重要な吸引力・パワーはどちらが強いんでしょうか?
「サイクロン式」とのイメージがありますが、必ずしもそうではありません。
紙パックもサイクロンもゴミを溜めてしまえば、パワーは低下します。
つまり吸引力を出すのに重要なのは、ゴミが入っていない状態を継続することです。
そして、ゴミを空にしやすいのは、サイクロンタイプです。
だから、あえてどちらかと言えばサイクロン掃除機の方が強いです。
ゴミ捨ての頻度は?
💡︎紙パック掃除機
・1〜2ヶ月に一度
・パック内にゴミが入っている期間が長い
💡︎サイクロン掃除機
・2〜3回使用ごと
・ダストケース内が空になる頻度が高い
サイクロン式はゴミ捨てが面倒ですが吸引力を維持しやすいです。
毎回ゴミ捨てすれば、新品の紙パックに交換した直後の紙パック掃除機の吸引力を出せるのが、サイクロン式掃除機です。
逆に、ゴミ捨てをサボるとサイクロン式はすぐにパワーダウンします。
やはり楽に使いたいとうなら紙パックの方がオススメです。
簡単で楽に使いたいなら紙パック
多少手間がかかっても吸引力を出していきたいならサイクロンタイプ
にしましょう。
紙パックタイプ
ゴミが溜まりやすいので吸引力が低下しがち。
しかし手入れは紙パックを捨てるだけ。
サイクロンタイプ
お手入れを細目にやればパワーを維持できる。
吸引力は高いほうがいいの?
掃除機のスペックに吸引仕事率というのがあります。
『吸引仕事率500w』とありますが、何を表しているんでしょうか?
吸引仕事率とは
シンプルに言うと吸い込みのパワーです。しかし大きければいいとは限りません。
吸引仕事率がポイントになるのは紙パック掃除機だけです。
紙パックはどの掃除機も作りが似ていますので、吸引仕事率が高い=吸い込みも良いと考えてOKです。
サイクロン式掃除機は?
サイクロン式の場合ダストケースの形等が機種によって大きく変わるので、目詰まりの頻度に差が出やすいです。
目詰まりが多い機種だったら、吸引仕事率が高くても、実際のパワーは低いことになります。
ですので吸引仕事率は低いけどゴミの目詰まりしにくい優秀な掃除機というのが存在します。
また高い吸引仕事率だけど目詰まりしやすい機種とうのもあるのです。
パワーがそのまま発揮されるわけではない
よく吸うことで有名なダイソンの掃除機は吸引仕事率約170Wです。
目詰まりしなければOKなんですね。
サイクロンの場合は、吸引仕事率が高い=吸引力が強い では無いのです。
具体例
安いサイクロン掃除機
日立 CV-SE80
日立のサイクロン掃除機ので一番安い機種です。
吸引仕事率は620wです。サイクロンで最大級です。
しかし一番よく吸う掃除機ではありません。
2万円台で吸引仕事率620wはお得に思えますが、性能はお値段なりです。
この機種は目詰まりしやすく、吸引力が落ちやすいのです。
高級サイクロン掃除機
ダイソン CY25AF Dyson Ball
ダイソンのサイクロン掃除機です。
吸引仕事率は推定170w程度。
しかし、ダイソンの評判通り吸引力は非常に優秀です。
理由は、その構造によりゴミを吸っても風の通り道が常に確保されているからです。
ゴミが詰まりやすい機種と比べて、常に高い吸引力を発揮できます。
ヘッドの種類
ヘッドとは掃除機の先端、吸い口の部分のことです。大きく分けて3つの種類があります。
1、パワーヘッド(パワーブラシ)20000円位~
ヘッドの中にモーターがあるタイプです。
電動モーターでブラシを回転させてゴミをかきとります。
3種類の中では、その吸引力は圧倒的に高いです。
パワーヘッドの特徴
💡︎強い吸引力を発揮できる
💡︎ゴミを床からかきとる力が強い
床に張り付いたホコリや、カーペットに絡まった毛なども、モーターブラシで絡み取ってから吸い込みます。
パワーヘッドの中には、自走式パワーヘッドというタイプもあります。
ヘッド自体がドライブするようにスイスイ進んでくれて、掃除がとても楽です。
国内メーカーの高級機種はほぼ自走式です。
海外メーカーでなく国内機種に一定の人気があるのは、自走式のお手軽さがあると思われます。
パワーヘッドが役に立つ場面
💡︎フローリングの溝
💡︎床に張り付いたホコリ、髪の毛
💡︎毛足の長いカーペット
上記のような所ではパワーヘッドが役に立ちます。
フローリングはもちろん、カーペットやマット類で真価を発揮します。
様々な場面で役に立つパワーヘッドがやはり一番おすすめですね。
2、エアタービンヘッド 10000円位~
モーターでなく、風力でブラシを回すタイプです。
💡︎ブラシの回転力は弱く、ゴミをかきとる力は弱い
💡︎床面に傷がつきにくい
💡︎床との密着性が低くパワーが出にくい
💡︎安くてお買い得
回転ブラシは風車のように高速で回転する構造です。
なので何か詰まったりして空気の流れが悪くなると、ブラシの回転も弱くなります。
基本的にはフローリング向けのタイプです。
床を傷つけにくく、軽いというメリットもあります。
エアタービンヘッドが役に立つ場面
💡︎フローリングのホコリ
💡︎絨毯やカーペットの表面のゴミ
💡大理石など傷つきやすい床
このような場面ではエアタービンで十分です。
でもやはりゴミが残りやすいのでクイックルワイパーなどと併用するのがいいでしょう。
3、床ブラシ
回転するブラシはなく、ただのブラシが付いたタイプです。
💡︎隙間も多く、ブラシの力もほとんどない
💡︎価格はもっとも手頃
価格は10,000円を下回るなど、かなり手頃です。
2階用や・玄関周りの砂埃用・学生さんの1人暮らし用、
といった使い方が多いです。
床ブラシが役に立つ場面
💡︎床に傷をつけたくない時
💡︎砂や粉末、ほこりなどの掃除
こういった場合には床ブラシでも十分。使い捨てにしやすいので会社での利用が多いです・
単純に言えばホウキの代わりとして使用するイメージです。
ヘッドについてのまとめ
ヘッド選びは掃除機選びで一番重要です。
なぜなら、ヘッドの性能はゴミの取り残しの大小に直結するからです。
ヘッドの性能の差は、床との密着度の差でもあります。
紹介した3種類のヘッドは、それぞれ床面への密着度にが大きな差があるのです。
密着度とは、ヘッドと床の間に隙間をどれだけ無くせるかです。
ピッタリ吸い付けているほど吸引が強く、スカスカになるほど吸引が弱まります。
密着度が高く、本来のパワーを発揮できるのはやはりパワーヘッドです。
ご予算の関係もあると思いますが、基本的にパワーヘッドを強くおススメいたします。
サイクロン式掃除機の3タイプ
最後にサイクロン式のダストケースの形状について解説します。
サイクロン式掃除機は
💡フィルターレス式
💡遠心分離+フィルター式
💡フィルター分離式
の、3つのタイプに分かれます。
この違いは、パワーを維持する性能やお手入れのしやすさにダイレクトに関わる重要なポイントです。
1、フィルターレス (最後まで遠心分離)
本来の”サイクロン”掃除機です。
比較的グレードの高い機種が該当します。
一貫して遠心分離を行うタイプで、風どおりが良く、吸引力の低下がほぼありません。
更に、フィルターがないので手入れが楽です。
価格はお高めですが、その分性能もいいです。
ダストケースが筒状で、ダストケース内に目の細かなフィルターを持たない構造となっています。
お手入れの目安
2・3回使うごとにに1度がおススメです。
ゴミがいっぱいになったら捨てるだけです。
ただ内部にモーター保護のフィルターがありますで、そのフィルターの手入れは必要です。
内部フィルター月1回程度チェックして、汚れていればキレイしましょう。
2、半分サイクロン 途中まで遠心分離タイプ
一番種類が多いです。
2〜3万円の売れ筋機種は大体このタイプです。
途中まで遠心分離を行いますが、最終的に細かいゴミはフィルターでキャッチします。
大きな埃は遠心分離するので、フィルターへの埃の付着をある程度軽減します。
しかしやはり細かなチリは付着するので、フィルターのこまめな手入れが必要です。
お手入れの目安
2〜3回使用したらゴミ捨てとフィルター清掃を行いましょう。
3、フィルタータイプ 遠心分離していないタイプ
厳密にいえば”サイクロン”ではありません。
遠心分離を行う構造がない(もしくは少ない)からです。
だだ現状、家電業界では『”紙パックを使わない=サイクロン式』なので、一応サイクロン式になります。
ダストケースが四角い箱状のものが当てはまります。
フィルターが詰まりやすく、吸引力が低下しやすいですが、お買い得なものが多いです。
もちろんフィルターの手入れをこまめに行えばパワーは低下せず使えます。
紙パックを買いに行くのは面倒だけど、お手入れは苦にならない方向けでしょう。
お手入れの目安
詰まりやすいので使う毎にゴミ捨てと清掃を行いましょう。
まとめ
紙パック式がいいかサイクロン式がいいかは一長一短
✅紙パック式掃除機
⭕お手入れが楽
❌フルパワーは紙パックを交換した直後のみ
✅サイクロン式掃除機
⭕手入れをこまめにすれば常にフルパワー発揮
❌ごみ捨てやフィルターの手入れが面倒
サイクロンにするなら(できれば)フィルターレスサイクロン
✅フィルターレスサイクロン
⭕手入れが比較的楽で吸引力維持性能が高い
❌値段は多少張ります
ヘッドはパワーヘッドがおススメ
フローリング、マット類、畳のどこでも万能に活躍してくれます。
なかでも、スイスイと動いてくれる”自走式モーターヘッド”がおすすめです。